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2015年09月19日

北アルプス北鎌尾根


【報 告 者】りりぃ、ありきち
【日   時】2015年9月19日〜22日
【参 加 者】りりぃ、ありきち
≪ 日  程 ≫
 中房温泉〜燕岳〜大天井岳(泊)〜貧乏沢〜北鎌沢右俣〜北鎌のコル(泊)〜北鎌尾根〜槍ヶ岳〜殺生ヒュッテ(泊)〜槍沢〜上高地
≪ 報 告 ≫
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今年のシルバーウィークは、春先から北鎌尾根に行くと決めていた。呼びかけにゼルプスさんをリーダーに4人くらいの予定であったが、仕事の関係だったり家庭の事情で参加できなくなったりと最終的にはありきちさんと2人パーティーとなった。バリエーションは大好きだが、まだリーダーには力不足な私と若く体力や知識はあるが、経験が不足している新人のありきちさん。こんな不安要素満載の2人だったけど、頼る人がいない分、自分たちで考え行動することで反省点も多いが、充実度の高い素晴らしい山行経験を積むことができた。
*19日(1日目) 10時間45分行動
5:45中房温泉登山口集合 6:15出発〜12:00燕岳〜17:00大天荘
 ザックが重い。ありきちさんのザックも20kgを超えている。夜行バスの車内では熟睡できなかった体は、合戦尾根の急登とザックの重さに悲鳴をあげた。いきなりこれですか…。階段を一段踏み込むたびに前腿が熱くなり、ビリビリッと電気が走るような感覚。コースタイムより30分オーパーして、9:45合戦小屋着。お目当ては名物のスイカ。ここで食べるとスイカ嫌いの人も「うまい!」って言っちゃうほど、最高に美味しい。1切れ¥800なり。ありきちさんと半分こ。
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合戦小屋を過ぎたあたりから、ナナカマドの実や葉が真っ赤になっていた。空は抜けるような青。素晴らしいお天気。可愛い山ガール、山ボーイ達がキャッキャッして列をなして登っていく。その先にはびっくりするくらい綺麗な燕岳が見えてきた。
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今日の行動予定は大天荘まで。テン場の確保が心配だったけど、この魅力的な燕岳に行かないなんてできない。燕岳で昼食をとり、少し下ったところで手袋を忘れたことに気付く。ありきちさんがすぐさま取りに行ってくれた。心優しいナイスガイ。大天井へ向けて歩きだした頃は稜線にガスがかかってきた。喜作レリーフのところへ下りる階段で「浮き石」と前の人に教えてもらったので、後続のためにその石を「落」と言って沢側の安全な所に捨てたのだが、落石がおきたと思ったのだろう、女の子がひきつった顔でこちらを振り返った。
大天荘テン場はすでにもう一杯であったが、受付に行くとベンチのそばに張っても良いといわれまっ平らな所にテントを張ることができてラッキーだった。荷物を少しでも軽くするために、重い食材から食べることにする。だから、今日の夕食はレトルトカレーとレトルトご飯。チーズとウヰスキー♡
この日の私たちは本当に北アルプスに歓迎されていたんだと思う。
だって、この景色を見ることができたんだもの。テン場からみえる大自然が織りなす風景。
感動で心が震える。デジカメじゃなくて、一眼で撮りたいって、心から思った。
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*20日(2日目) 9時間行動
7:45大天井岳〜9:10貧乏沢のコル〜11:50天上沢出合〜13:00北鎌沢出合〜16:20北鎌のコル
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夜中に目覚めるのが嫌だから、昨夜は眠剤を飲んで眠った。ぐっすり眠れたおかげで疲労感はさほど残っていない。今日は、いよいよ貧乏沢から北鎌のコルまで行く日だ。体調は良い。大天井岳に登ってから出発。出発が少し遅くなったが、焦らず楽しんでいくこととする。
牛首のコルから25分くらい歩くと赤テープと貧乏沢入口の看板が目に飛び込んできた。いよいよという緊張とともにワクワク感が押し寄せてくる。少しだけ登ると後は一気に下る、下る、下る。ハイ松だったり、岩だったり、泥だったりするが、しっかりと踏み跡は付いているから迷うことはない。滑りやすい木の根っこで何度か転んで膝や脛はあざだらけだ。途中にフィックスロープが掛けてあるところもあった。全体的に暗く湿っぽいので、岩にも苔がすごい。天上沢と出合ったあとは、上流側に進む。途中の木陰で昼食を兼ねて大休止。靴下も脱ぎ、流れに足を突っ込む。冷たいが気持ちいい。おひさまのぬくもりも気持ちいい。青年が二人追い越して行った。彼らもまたコルまで行くという。いよいよもって、私たちのテン場はあるのだろうかと正直不安であった。北鎌沢出合では、すでにエスパース4人用のテントが2張り張ってあり、少し離れた所にもテントがあった。
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先ほどの青年たちももう何パーティーもコルまで上っているという情報から今夜はここにツェルトを張るとのこと。しかし、明日の行動時間を考えれば、やはり私たちにはそれは無理だ。何としてでも、今日はコル又はその先まで行っておきたい。そんな気持ちで登り始めたら、前方に先行者が2組いた。ソロと若いカップル。なんとなく後をついて行ってしまったのだが、途中で右俣出合を行きすぎたことに気付き戻る。ここで20分近い時間のロス。ちゃんと地図にも右俣出合、北鎌沢登り始めて15分、標高1900mと赤ペンで書いておいたのに…。右に行くのだから左岸を登って行けばよかったのだ。恥ずかしながら、高度計付きの時計を持っていない。買おうか悩み、ポチりそうになったのだが、ありきちさんが持っているからいいや。カメラや携帯に付いているからいいや。と安易な考えを持ってしまったのがいけない。やっぱり必要なものはちゃんと自分で持たなくてはならない。山で落としていけないものは、命とごみ。                                  
気持ちをリセットして右俣沢筋を詰めあげていく。急登だ。二股に分かれている個所もあったが、基本私たちはコルのテン場に出たいのだから、右へ右へと行く。途中でビバークしている3人(内女性1人)がいた。コルまで行ったがすでに自分たちのテントを張るスペースがなかったためここまで引き返してきたとのこと。「寝袋くらいのスペースならあった」との情報を得る。もう少しだけ登ればすぐだよ。と教えてもらったが、そこから1時間くらいかかった。時間の概念の個人差を痛感。慎重にあたりを見極めながら、北鎌ホイホイに引っかからないように登っていく。北鎌で唯一×がついているという場所をみることもなく、ドンピシャで北鎌のコル、テン場に出ることができた。そこにはやはりテントが3張り(4人用、2人用、ソロ)張ってあった。後から来て申しわけない気持ちでいっぱいながら、少しずつテントを移動していただいて「寝袋のスペース」にツェルトを張った。皆さん気持ちよく応じてくださり、本当にありがたかった。今回はストックを使わず代わりに木に渡したロープにツェルトを吊り(転落防止の意味合いも兼ねる)、天井がたわまないようにテントポールを使用した。また、テント本体はアンダーシート代わりに、フライはザックの夜露避けとして使用。ツェルトなので寒くないかと心配したが、カイロを貼り、お湯を入れた朝食用のアルファ米をポケットに入れて寝たら寒くなかった。ただ、ツェルト内の結露はすごかったが、贅沢は言えない。
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*21日(3日目) 10時間行動
5:00北鎌のコル〜8:05独標トラバース〜8:45独標付近ピーク〜北鎌平〜14:05槍の穂先〜15:45殺生ヒュッテテン場
紅葉が朝日を受けて眩しい。今日も申し分のない晴天。絶好の北鎌日和になりそうだ。ハーネスやヌンチャクを身につけてスタート。大勢の人が入っているため、ルートファインディングの妙味は得られないだろう。天狗の腰かけまでも所々にテントを張るスペースがあった。目の前にドンと聳える独標を直登しているパーティーが見えた。ザックがいくらか軽くなったとはいえ、そんなに極端には変わらない。ありきちさんとアイコンタクトでトラバースルートを選択。いよいよ北鎌の核心ルートに入ってきた。ここは足元が崩れてしまって不幸な事故も起きてしまった場所。フィックスロープに2本のヌンチャクをかけて、安全を確保するよう声をかけあう。いざ自分がしてみるとデージーチェーンではなく短いスリングを使用したため、長さが足りなくロープに体重を預けるような格好になってしまい、大いに反省。
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しばらく行くとハング状となっている岩あり。このままでは荷物が大きいので通過できない。ちょっと怖いけど、一段低い岩に足を乗せれば難なく通過できる。
これを過ぎると一体今どのピークに居るのかよくわからない。
天気が良いため暑くて汗が止まらない。前の方から、「ビレイ解除」と聞こえてきた。チムニー状になっている岩を登る。しっかり手も足もあるのでさほど難しくはない。自然渋滞が起きていた。
 大槍の基部から山頂へはどこからでも登れる感じ。上がガヤガヤするから見上げてみると、人がいっぱい。4〜5m上は、頂上のようだ。本当はクラック状のところから行きたかったけど、まぁしょうがない。理想と現実にはギャップが付きまとうものだ。
14:05槍ヶ岳頂上。北鎌尾根を縦走してちゃんと槍の穂先にたどり着けたのは、本当に嬉しい。クライマーのおじさんたちが拍手してくれた。
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ありきちさん、お世話様になりました。 
ザック重たかったですね。
本当にありがとうございました。
≪おまけ≫
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【安心してください。生きてます】

この日は、肩から槍の穂先に登るのに2時間半待ちであったそうな。また、槍ケ岳山荘のテラスで休んでいる時、槍から結構大きな落石が2つあったのを目撃。怖かった。
ありきち 記

9/18日
 初めての北アルプス遠征です、高速バス 飛行機 タクシー 電車 乗合バス と乗り継ぎ中房温泉のテン場に15:40到着、受付をしてテントを張ります。細かい雨は降っていますが夜中には止む予報、明日からのハードな山行に備えしっかり寝ておきます。

移動日の反省点
 乗り継ぎ時間をタイトにしすぎて余裕がなかった。飛行機以降にもっと時間を取っておかないとガスの調達ができない。

9/19日
 5時ごろに起床し朝食、りりぃさんの到着を待ちます。6時到着の予定なのでのんびりしていたのですが、5時過ぎからバスがどんどん上がってくる、人があふれてくる、さすがにシルバーウィーク初日の表銀座の登山口。そんな中予定より早くりりぃさん到着、あわてて撤収、準備しますが時間がかかってしまい出発は6時半になりました。
 まずは北アルプス3大急坂「合戦尾根」さすがの急坂です、よく整備された道ですが階段の段差がきついです。第一ベンチから合戦小屋までほぼ30分ごとに休憩場所がありその都度休憩です。ザックが重い!
 合戦小屋では名物すいか。これが最高に美味しかった。塩を振ったスイカは汗をかいた後には最高です。
小屋から先は木々も低くなり、雲も晴れてきて展望が開けます。紅葉の木々・遠くの山々・真っ青な空、燕山荘まで素晴らしい景色の中を歩いて行きます。燕山荘に到着すると そこは尾根筋 どちらを見ても山山山!九州では見られないスケールの広がりです。「北アルプスに来て良かった」と思える瞬間でした。
燕山荘にザックを置いて燕岳まで空身で往復、体が軽いです。山頂で写真を取りお昼ご飯、花崗岩の色々な形の岩のある不思議な光景でした。
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燕岳からは尾根道の水平歩行 と思っていましたが、最後の大天井の登りは厳しかった。最後にこれか〜と思いながら大天荘。一日の行動は終了です。ビールとりりぃさんのウイスキーでいい気持ちで就寝。

初日の反省点
 出発準備は迅速に!
 軽量化重視の食料は味気ない、重量とのバランスを考えながら美味しい食糧計画を考えないと。
 大天井岳(おてんしょうだけ)大天荘(だいてんそう)大天井ヒュッテ(おてんしょう) 燕岳(つばくろだけ)燕山荘(えんざんそう) 読みが難しい!
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9/20日
 ちょっとゆっくり目の起床・のんびり朝食、ウオーミングアップ?に大天井岳へ。大天荘からは往復30分 頂上では明日到達予定の槍ヶ岳がはっきり見えます。
 まず貧乏沢分岐、これは案外すぐに見つかりました。入り込んだらさすがに道は悪いです。注意して降りるのですが、天上沢との合流直前に転倒・沢にボチャン、靴下まで濡れてしまいました。
 天上沢の河原は広々とした明るいゴーロ 途中で昼食休憩を取り北鎌沢出会いへ。
 出会いにはすでにテントが5張り以上、話を聞くとすでに北鎌のコルはいっぱいで それ以降にも数パーティが登って行ったとか。私たちの行動速度を考えると どうしても今日中にコルまで到着しておきたいので登ることにします。
 途中左俣に入り込んで30分ほどロスしたり、登るにつれて厳しくなるルートにビビりながら進んでいくと ジャスト北鎌のコルのテン場。3張りのテントが張ってあったがりりぃさんが交渉、少しづつよけていただきツェルトのスペースを空けていただく。本当にありがとうございました。
 翌日は早朝からの行動予定、早めに就寝します。

二日目の反省点
 北鎌のコルのテン場争奪戦はすごい! 早めの到着が必要。
 左俣分岐のミス。標高の確認をきちんと。
 北鎌沢の登りは厳しくて写真を撮れなかった。
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9/21日
 北鎌尾根 今日がメインイベントです。早めに起きだし朝食を取ります。今日のお昼は行動食のみ、しっかり食べておきます。
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素晴らしい朝焼けで 一日晴天の予報、絶好の北鎌日和です。
まずは独標まで、少々登りますが普通の尾根道です。1時間ほど歩くと独標が大きく見えてきます。
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直登するパーティもいましたが、もちろん巻き道。チャレンジしてみたいのですが、50メートルロープ2本必要。
独標以降は槍がはっきり見えてきます、ルートも岩場の連続、ルートファインディングが重要になってくるのですが。人出の多いシルバーウィーク 前後に人はいるは踏み跡はしっかり付いているはで道に迷うことはありません。クライミングのラインはしっかり確認して登って行きます。
ピークをいくつも越えて・巻いて 気がつくと槍直下。
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最後のチムニーを越え わずか数メートル上には山頂で記念写真を撮る人たち。
 しかし ルートを間違えていました、祠の横2〜3メートルの場所です。りりぃさんの夢「祠の裏から登頂」の場所とは違います。登り返そうと言うりりぃさん でもゴメンナサイ 体力も気力も尽きて「すぐそこにある山頂」にどうしても早く登ってしまいたかったのです。結局 そのまま登頂・写真撮影しました。
 槍から降りてもう少し下、殺生ヒュッテのテン場にテントを張り ビールとウイスキーで乾杯!ハードな一日でした。

三日目の反省点
 「祠の裏」ですね。りりぃさん ごめんなさい。
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9/22日
 最終日 とにかく下って帰るだけです。18キロメートル以上ひたすら歩きです。
途中 初めて雪渓を間近で見たり、水俣乗越の分岐を確認したり、徳澤園でお昼を食べたり 楽しんで歩きましたが、長いです(笑)
 快調に歩き りりぃさんのバスの時間も余裕のはずが、予定した便が満車、急遽1便早いバスとなりました。りりぃさんとはここでお別れ。
 小梨平のキャンプ場は快適!水が無料!お風呂もある!ごみ箱もある!素敵でした。

四日目の反省点
 下りは靴ひもをしっかり締める。足がずれてしまった。
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9/23日
 移動日です。
バスで新島々まで。初めて乗ったのですが まるで観光バス 見どころのある場所で運転手さんの解説アナウンス。1時間のバスがあっという間でした。
それ以降は電車・特急・バス・飛行機・空港ライナー・電車と特に面白みのない旅。
18時には自宅に戻りすべての行程を無事完了しました。

全体の反省点
 荷物の重量。考えて選んだのですが、使わなかった物がまだありました。(非常用の物品を除く)
 テントは・・・快適だったけど・・・やはり二人用が良かったかな〜。
 紫外線対策。標高3000メートルで3割増しだそうです、サングラス・日焼け止め・リップクリームがあったら良かった。唇がパリパリになってしまった。


 初めての九州外遠征があの北鎌尾根 会員の皆様に・会員外でも多数の方に・ご心配をかけたと思います。りりぃさんのしっかりとした計画、下調べにより無事楽しい山行となりました。
今回の北鎌行きは りりぃさんの山行計画に乗っかる形での参加となりました。りりぃさん本当にありがとうございました。
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posted by asobow at 00:00| 縦走